Step11-8 地方馬の挑戦A

オグリキャップから探る

去る7月4日、北海道・新冠町の優駿スタリオンステーションで放牧中に右後ろ脚を骨折したオグリキャップは、安楽死の措置が取られ、天国へ旅立ちました。
数々の感動を与えてくれた名馬に感謝したいと思います。


地方競馬出身で中央で活躍した馬にオグリキャップがいます。
地方馬の中央への挑戦という意味では、厳密に言うと合っていません。
なぜなら、オグリは笠松から中央競馬へ移籍しました。
つまり、中央馬となったからです。
もちろん、先ほどのコスモバルクの様に、地方馬のまま、中央へ挑戦し続ける馬もいますが、地方出身の”怪物”について、「地方にもこんな強い馬が居たんだ!」ということを知っていただきたいのでご紹介します。


■オグリキャップとは?

 第二次競馬ブームを作った笠松出身の競走馬。
 その人気と活躍ぶりにより多くのファンを獲得し、社会現象を巻き起こした。
 活躍した期間は1987年〜1990年の約3年間

性別
誕生 1985.3.27
ダンシングキャップ
ホワイトナルビー
生産者 稲葉不奈男
馬主 小栗孝一→佐橋五十雄
→近藤俊典
生涯成績 32戦22勝
12戦10勝(地方競馬)
20戦12勝(中央競馬)



オグリキャップの中央挑戦

それでは、オグリキャップはどのような経緯で中央に挑戦することになったのでしょうか?

■移籍に関するエピソード

a オーナーである小栗氏は、「オグリキャップは生涯笠松で活躍させる」という信念を持っていた。
その為、数ある購入の申し込みに対しては頑なに断っていた。
しかし、あまりにも強いオグリキャップに対し「このまま此処で終わらすのがもったいない」「中央に挑戦させろ!」と言う声が高まり、中央が向いていなければ戻るという条件付で移籍に同意した。

a これが、中央へ移籍するまでの経緯です。
地方馬でも、強ければどんどん上へ向かうことが出来るというこですね。
もし、自分の地域からこのような強い馬が出たなら・・・と考えるだけでワクワクしませんか?
今まで、目の前を走っていた馬が、今度はテレビで観戦、全国区になるとは。
まるで、自分が応援していたバンドが、メジャーデビューする様な、わが子を結婚で手放すような・・・そんな嬉しくも少し寂しい気分になるんでしょうね。(笑)

話を戻します。
それでは、オグリキャップの生涯成績を見ながら、デビュー、地方馬時代、移籍、中央での活躍という流れを追っていきましょう。
右にコメントもつけましたので参考に。

a
年月日 競馬場 レース名 距離 頭数 枠順 人気 着順 騎手 コメント
1987.5.19 笠松 新馬 ダ800 10 10 2 2 青木達彦 オグリキャップ、デビュー戦
6.2 笠松 3歳 ダ800 7 1 1 1 高橋一成
6.15 笠松 3歳 ダ800 9 8 1 1 青木達彦
7.26 笠松 3歳 ダ800 7 7 1 2 高橋一成
8.12 笠松 3歳 ダ800 8 7 1 1 高橋一成
8.30 笠松 秋風ジュニア ダ1400 10 5 1 1 安藤勝己
10.4 笠松 ジュニアクラウン ダ1400 9 5 1 1 安藤勝己
10.14 中京 中京杯 芝1200 12 3 1 1 安藤勝己 地方交流戦
11.4 名古屋 中日スポーツ杯 ダ1400 12 4 1 1 安藤勝己 地方交流戦
12.7 笠松 師走グランプリ ダ1600 10 9 1 1 安藤勝己
12.29 笠松 ジュニアグランプリ ダ1600 10 7 1 1 安藤勝己
1988.1.10 笠松 ゴールドジュニア ダ1600 10 6 1 1 安藤勝己 公営笠松時代、最後のレース。12戦10勝2敗
3.6 阪神 ペガサスステークス(GV) 芝1600 10 4 2 1 河内洋 笠松から栗東へ移籍後、初レース。
3.27 阪神 毎日杯(GV) 芝2000 10 10 1 1 河内洋
5.8 京都 毎日放送賞京都4歳特別(GV) 芝2000 15 15 1 1 南井克己
6.5 東京 NZT2歳ステークス(GU) 芝1600 13 11 1 1 河内洋
7.10 中京 高松宮杯(GU) 芝2000 8 2 1 1 河内洋 初めて古馬と対戦するもレコード勝ち。
10.09 東京 毎日王冠(GU) 芝1800 12 8 1 1 河内洋
10.30 東京 天皇賞(秋)(GT) 芝2000 13 1 1 2 河内洋
11.27 東京 ジャパンカップ(GT) 芝2400 16 8 3 3 河内洋
12.25 中山 有馬記念(GT) 芝2500 13 10 2 1 岡部幸雄
1989.9.17 中山 産経賞オールカマー(GV) 芝2200 13 11 1 1 南井克己 脚部不安により長期休業からの復活レース
10.08 東京 毎日王冠(GU) 芝1800 8 6 1 1 南井克己
10.29 東京 天皇賞(秋)(GT) 芝2000 14 4 1 2 南井克己
11.19 京都 マイルチャンピョンシップ(GT) 芝1600 17 1 1 1 南井克己
11.26 東京 ジャパンカップ(GT) 芝2400 15 3 2 2 南井克己
12.24 中山 有馬記念(GT) 芝2500 16 1 1 5 南井克己
1990.5.13 東京 安田記念(GT) 芝1600 16 9 1 1 武豊
6.10 阪神 宝塚記念(GT) 芝2200 10 6 1 2 岡潤一郎
10.28 東京 天皇賞(秋)(GT) 芝2000 18 12 1 6 増沢末夫
11.25 東京 ジャパンカップ(GT) 芝2400 15 7 4 11 増沢末夫
12.23 中山 有馬記念(GT) 芝2500 16 8 4 1 武豊 引退レースで奇跡の優勝。

最後のレース 色で表しているのは、笠松時代です。
■中央へ移籍すること
a 昔は、地方馬が中央のグレードレースに地方馬が参加することが出来ませんでした。
その為、中央に挑戦するためには、中央馬になるしか選択がなかったのです。
後に、レースも地方馬に解放され(1990年交流年)、地方馬と騎手が中央のレースに出られるようになったのです。




伝説のラストラン

オグリキャップを語る上で外せない話があります。
そう、今や語り草にもなっている、オグリの最後のレース「第35回有馬記念」です。
成績を見ても分かるように、引退の年は後半、明らかに調子が落ち、衰えが見え始めていました。
周囲から引退説も出る中、この年の有馬を最後に引退を決めたオグリキャップ陣営。
前走11着と大敗したにもかかわらず、4番人気に。
それは、根強いオグリファンの表れでもあります。

それでは、その勇姿をどうぞ!

第35回有馬記念



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