Step10-2 トライアルレースと前哨戦(ステップレース)

GTレースにむけて

■ジーワンを目指して
ジーワンタイトル獲得は、騎手はもちろん、厩舎側サイド、馬主等、競馬に関っている人なら誰でも目標とするところです。
ですから、同じ目標を持つもの同士がしのぎを削りながら目指しているその過程も重要なもので、どのようなレースを経てきたかが重要なカギを握ります。

有力馬ともなれば、ジーワンレースまでの路線計画をしっかりと立てて挑んできます。
競馬を予想する側としては、ジーワンレースを予想する場合に、出走する馬が歩んできたステップをチェックしておく必要があり。

まあ、出走表を見れば過去に出走したレース結果が載っているので、一応チェックしていることにはなるのでしょうが。
しかし、ここではもう一歩踏み込んだジーワンレースに出走するまでについての課程を少し掘り下げてみましょう。

Stepの最後には、ジーワンシリーズを図解したものを載せています。
ぜひ、参考にしてください!


トライレースと前哨戦(ステップレース)

ジーワンレースに出走するまでの過程に、トライアルレース前哨戦(ステップレース)があります。
二つの違いについては、ジーワンに出走するためのトライアル戦は絶対条件、前哨戦は相対条件といえるでしょう。
これでは、分かりづらいと思うので詳しく説明していきます。

■トライアルレースとは

クラシックレース出走のための優先権が与えられるレースです。

どのレースにも出走条件があり、ジーワンレースも例外ではありません。
特にクラシックレース(桜花賞・皐月賞・オークス・日本ダービー・菊花賞を指す)は年齢条件が「サラ3歳」の為、一生に一度のチャンスしかありません。
故に目指す馬も多く出走資格も厳しいものとなっています。
※前までは、古馬が参加するジーワンにもトライアルがありましたが、現在では、3歳限定のレースのみです。

トライアルレースはクラシックレース出走に大いに関係があるので、クラシックレースの出走資格について説明しながら、解説していきたいと思います。


クラシックレースの出走資格は?


もちろん個々のレースにより違いますが、共通していえることは

・優先出走権を得た馬
・総収得金額上位馬
・抽選馬

が条件となります。
注意して欲しいのは、上から順に出走できる確率が高くなります。

例えば、「皐月賞」の場合
フルゲート18頭でその内訳は、優先出走権を得た馬が最大8頭、残りが総収得金額上位馬(10頭)となります。
まず、優先出走権の最大8頭とは、

弥生賞・スプリングステークスが上位3着まで若葉ステークスが2着まで

に優先権が与えられるからです。

つまり、トライアルを勝ち抜いた8頭がまず皐月賞に出走できます。
しかし、そのうち1頭が出走を辞退した場合、
18(フルゲート数)−7(トライアルを勝ち抜き出走する馬)=11
残り、11枠を優先権のない馬たちが、総収得金額上位に出走できる権利が与えられます。

しかし!
総収得金額が同一の場合は、抽選となります。
クラシックの場合、まだそうレースにも出走していないので、総収得金額にあまり開きがない場合が多いのです。

ここまで、一気に説明しましたが整理できましたか?
上に書いたことを図解してみますね。
優先順位 馬名 成績 条件 出走希望 出馬可否
1位 A 馬 弥生賞1位
弥生賞2位
弥生賞3位
優先出走
B 馬 × 出走回避
C 馬
D 馬 若葉ステークス1位
若葉ステークス2位
E 馬
F 馬 スプリングステークス1位
スプリングステークス2位
スプリングステークス3位
G 馬
H 馬
2位 I 馬 総収得金額・2000万 総収得金額上位
3位 J 馬 総収得金額・1800万
4位 K 馬 総収得金額・1500万
5位 L 馬 総収得金額・1500万
6位 M 馬 総収得金額・1000万
7位 N 馬 総収得金額・1000万
8位 O 馬 総収得金額・800万
9位 P 馬 総収得金額・600万
10位 Q 馬 総収得金額・500万 抽選
(3/7)
R 馬 落選
S 馬
T 馬 落選
U 馬 落選
V 馬
W 馬 落選

総収得金額が少なければ抽選です。
しかし、抽選だと運に左右されるところが大きいので、実力のある馬は当然不利ですね。
せっかく、クラシックを目指して日程をこなしてきても、抽選に落ちれば意味はありません。
その為、確実に出走するための保障が欲しいわけで、それが優先出走権(この権利があれば、出走を優先してあげますよという権利)です。

この優先出走件が与えられるレースを「トライアルレース」といいます。

優先権=出場権
といってよいでしょう。

次にトライアル戦とは具体的にはどのようなレースを指しているのでしょうか。


GTレース名 トライアルレース名 優先権
獲得条件
距離
桜花賞 チューリップ賞(GIII) 1〜3着 芝・1600m
アネモネステークス(OP) 1〜2着 芝・1600m
フィリーズレビュー(GII) 1〜3着 芝・1400m
皐月賞 弥生賞(GII) 1〜3着 芝・2000m
若葉ステークス(OP) 1〜2着 芝・2000m
スプリングステークス(GII) 1〜3着 芝・1600m
NHKマイルカップ ニュージーランドトロフィー(GII) 1〜3着 芝・1600m
優駿牝馬
(オークス)
桜花賞(GI) 1〜4着 芝・1600m
フローラステークス(GII) 1〜3着 芝・2000m
スイートピーステークス(OP) 1〜2着 芝・1800m
東京優駿
(日本ダービー)
皐月賞(GI) 1〜4着 芝・2000m
青葉賞(GII) 1〜2着 芝・2400m
プリンシパルステークス(OP) 1着 芝・2000m
秋華賞 紫苑ステークス(OP) 1〜2着 芝・2000m
ローズステークス(GII) 1〜3着 芝・1800m
菊花賞 セントライト記念(GII) 1〜3着 芝・2200m
神戸新聞杯(GII) 1〜3着 芝・2400m


■前哨戦(ステップレース)とは

ジーワンで優勝する為には、ベストな状態が望まれます。
そうなると、ジーワンレース前に好条件のレースを一度試しておきたいものです。

好条件とは、

参加するジーワンレースと距離が同じ
参加するジーワンレースとコース(開催場)が同じ。
参加するジーワンレースとの間隔がベスト。

など。

このような調整的なレースを前走に走っておきたいという考えは皆同じなようで、上の条件を満たしたレースに自然と有力馬たちが集まってきます。
そういう傾向が強いレースを前哨戦レースと呼びます。


2014年からは、対象ステップレースで1着をとれば、優先出走件が与えられるようになりました。

GTレース名 トライアルレース名 距離
フェブラリーステークス 東海ステークス(GII) ダート・1800m
根岸ステークス(GIII) ダート・1400m
高松宮記念 阪急杯(GIII) 芝・1400m
オーシャンステークス(GIII) 芝・1200m
天皇賞(春) 阪神大賞典(GII) 芝・3000m
日経賞(GII) 芝・2500m
大阪杯(GII) 芝・2000m
ヴィクトリアマイル 阪神牝馬ステークス(GII) 芝・2000m
福島牝馬テークス(GIII) 芝・1800m
安田記念 マイラーズカップ(GII)
京王杯スプリングカップ(GII)
スプリンターズステークス キーランドカップ(GIII) 芝・1200m
セントウルステークス(GII) 芝・1200m
天皇賞(秋) オールカマー(GII) 芝・2000m
毎日王冠(GII) 芝・2400m
京都大賞典(GII) 芝・2000m
エリザベス女王杯 府中牝馬ステークス(GII) 芝・1800m
マイルチャンピオンシップ 富士ステークス(GIII) 芝・1600m
スワンステークス(GII) 芝・1400m
チャンピオンズカップ みやこステークス(GIII) 芝・1200m
武蔵野ステークス(GIII) 芝・1600m

よりレース間の関係が分かるように図にしてみました。


特徴一覧

G1 GU GV OP

※クリックで拡大






注意して欲しいこと

分かり易い様、図解で説明し、前哨レースは代表的なものを挙げましたがそれが全てではありません。
もちろん他のレースからの直行組みもあります。
また、図のような経路を必ずしもとるわけではありません。
最近の競馬は、このような図式に囚われない独自路線を走る馬も多くなってきています。
上で示した路線がタイトルを取るためのベストの路線とは一概に言えず、あくまで、競走馬の体調出来特性を重視した日程がその馬のベスト路線であるということも意識しましょう。
ですが、トライアル戦・前哨戦を通過してのジーワン挑戦は「王道」であることは確かです。


<<Step06-4・競馬場の特徴 Step07-1・競走馬を激写>>